倶楽部高遊>上位免許への道
上位運転免許へのみち

ある日、私は仕事を辞めた。
その仕事には不満だらけだった。
給料は少ない、人遣いは荒い、社長は○×(自粛)。
次の仕事なんかどうにでもなると思っていたので、離職前に就職活動などしなかった。
甘かった。
おりしも我が居住地熊本には、未曾有の大不況が訪れていたのだ。
大手スーパーの相次ぐ破綻、その取引先の連鎖倒産。
仕事は解雇された人たちから優先で斡旋される。
私には何のとりえもない。
繰り返す面接。繰り返し送りつけられる履歴書。
仕事はない。

やっと失業保険をもらえる日がきた。
「そうだ、この金で大型2種の免許を取って、バスの運転士になろう!」。
かくして、私の上位免許への挑戦が始まった。

5月の中ごろだったろうか、熊本市内で唯一大型2種の教習をしている
ある自動車学校に行って尋ねてみた。
私「大型2種の教習はいくらぐらいの費用がかかるものですか?」。
カウンター嬢(?)「それが・・、6月から法律がかわるので今は募集してないんですよ」。
私「へ?」。
つまり、今までは場内試験のみであったものが、路上試験に変わる。
それと同時に今までは指定校制度がなかった二種免許に指定制が
導入され、学校で卒検まで出来るようになるが、指定を受ける為には
10人連続で一発合格者を(試験場で)出さなければならない。
だから、今までの教習は4月一杯で打ち切り、指定校になる為の
「指定前教習」というのを6月下旬から行う、というのだ。
しかし、そのためには大型一種免許を受けて何年か経ってる、とか
様々な条件や制約がつく、という。
私は驚愕した。
もう5月20日過ぎだ。
試験場に通ってもきっと5〜6回じゃあ大型2種なんて通らない。
しかも大型一種免許すら持ってない。
「よし、普通2種なら(5月中に)いけるだろう」。

5月22日水曜日(2002年)朝8時30分、試験場に到着。
やたら人がいる。技能試験にならんでいるらしい。
私は学科からなので、受験票を貰い適性(視力)検査へ。
普通の視力は難なくOK。コンタクトレンズ様様だ。
しかし深視力が合わない。
2本の棒の間を通る1本の棒が、並んだ時にボタンを押すアレだ。
やりなおす、待たされる、やりなおす。
やっと合う。もう学科は始まってしまいそうだ。
教室に入り席につくと、すぐに説明が始まった。
ぎりぎりだったらしい。
100門中90門正解で合格。
試験が始まる。
終わる。
発表は10時50分。
掲示板に受験番号212は・・・・、無い。
落ちた人は点数を教えてくれるというのできいてみた。
視力検査をしていた試験官だ。
「残念だったね、89点。あんたは視力ももう一つだったばってん学科ももういっちょバイ」。
あと1点。勉強なしできたのがまずかったか?。
勉強して翌々24日、2回目の受験で合格した。

5月24日金曜日、学科合格者は3階の教室に集められ、これからの
受験について説明を受ける。いよいよ技能試験だ。

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